Carpets

時代を越えたラグジュアリースタイルの実現

1930年代、世界の文化の中心であったパリやニューヨークで、今までにないインテリアスタイルが誕生しました。西洋のモダンと東洋の伝統美を融合させたそれは、ハイエンドな人々によってより洗練されたものへと昇華され、瞬く間に世界へと広がっていったのです。彼らの個性が最も表現された自宅(サロン)は、カルチャーの交流の場でもありました。そこに配する全てがこだわりのもとに選ばれ、その演出への知識は当然の嗜(たしな)みだったのです。サロンに通された客人はまず家具を眺め、壁面の絵画、そして床に敷かれた手織り絨毯を鑑賞しました。遠く離れた東洋から到来した誰も見たことのない美しい中国の絨毯は、最高のしつらえへの究極の仕上げだったのです。MUNI CARPETSは当時、最もラグジュアリーでシックだったインテリアスタイルをコンセプトに、東洋の美の源流である中国の明朝時代に作られた最高峰の絨毯の製法と伝統美をよみがえらせ、現代に合わせてアップデートしました。私たちMUNIは、東洋が持つ最上の伝統美とモダンを融合した新しい洗練されたインテリアスタイルをお客様へお届けします。

MUNI CARPETSの歴史

MUNI CARPETSは、創業者・楠戸謙二が1987年に一枚のアンティーク・チャイニーズ・ラグと出会ったことから始まりました。老舗呉服商で生まれた楠戸は学生時代からインテリアに興味を持ち、「AD」をはじめ海外のインテリア誌に紹介された西洋のモダンスタイルと東洋の伝統美が融合したインテリアに強く惹かれていきました。そして初めて訪れた香港で、長年の憧れであったアンティーク・チャイニーズラグと出会い、その美しい文様と、時を経て深まり成熟した藍の色に強く引き込まれます。アンティーク・チャイニーズ・ラグの蒐集と研究を進めるなかで存在を知ったのが、”クラシカル・チャイニーズ・ラグ”と呼ばれる、明朝末期から清朝初期に宮廷に献上された幻の絨毯でした。その美しく文化的価値のある絨毯を、再び現代のモダンインテリアに蘇らせたい。その強い想いが、さらにパートナー・ビル・チャンとの出会いを導いたのです。ビル・チャンは楠戸の想いに共感し、楠戸が目指すカーペット製作の工房の運営を担当するパートナーとして、共に歩むことになります。 そして1989年、クラシカル・チャイニーズ・ラグ復興プロジェクトの第一歩を踏み出します。往時の作品をより忠実に再現するためアンティークの作品を蒐集し、またメトロポリタン美術館などの協力を得て調査研究を重ねるといった試行錯誤の末、手紡ぎや植物染料による染色、手結び等の伝統技術を蘇らせることに成功しました。 そうした伝統技術をさらにブラッシュアップし、日本人の感性と美意識を吹き込むことで、現代の日本の生活のなかでより美しくモダンに、そして安全にお使い頂ける上質なカーペット「MUNI CARPETS」が誕生しました。

MUNI CARPETS誕生の原点

MUNI CARPETSのルーツであるクラシカル・チャイニーズ・ラグについてお話ししましょう。永い中国絨毯の歴史のなかでも一際気品に満ち、洗練された絨毯の一群。それが、日本の美術工芸にも深く影響を与えた明朝末期から清朝初期(16~18世紀)に宮廷への献上品として製織された、「クラシカル・チャイニーズ・ラグ」と呼ばれる絨毯です。清王朝の衰退とともに宮廷の奥深くで眠っていたそれらは、20世紀初頭、欧米で紹介されるやいなや上流階級の人々に羨望の眼差しで迎えられ、瞬く間にステイタスシンボルとなりました。その品格ある東洋の美は、ルイス・カムフォート・ティファニーやココ・シャネル、フランク・ロイド・ライト、ジョン・D・ロックフェラーなど欧米のトップクリエイターやセレブリティーを魅了し、彼らの個性を表現する大切なアイテムとして用いられました。後にL.Aのフランセス・エルキンスなど世界のインテリアデザイナーの間でも、クラシカル・チャイニーズラグを用いたインテリアスタイルが取り入れられていったのです。そして現在も、欧米の著名なインテリアデザイナーによってそのラグジュアリーなインテリアスタイルは受け継がれています。80年代にピーター・マリノが手がけたジョルジュ・アルマーニのミラノの自邸のエレガントなスタイリングは、今なお多くのインテリアデザイナーをインスパイアし続けています。時代を超えて世界を魅了したクラシカル・チャイニーズ・ラグ。しかし19世紀以降は次第にその東洋の伝統美が失われ、商業主義のデザイン、機械や化学染料を使った大量生産によって、本来の伝統美を受け継ぐラグとは異なるものとして世界中に広まっていきました。16〜18世紀に作られた本当のクラシカル・チャイニーズ・ラグは、現在も世界の宝として欧米の有名美術館に所蔵されています。MUNIではこの世界的に貴重な染織文化を現代に受け継ぐため、NYメトロポリタン美術館、北京故宮博物院などの協力を得て、制作技術や文様の調査、また歴史研究をもとにMUNI CARPETSの製作を行っています。

プレミアムウール、灘羊毛。

MUNI CARPETSが使用するウールは、灘羊(タンヤン)という羊から取るプレミアムウール。繊維が15ミクロン以下のカシミヤと同等の細さのため、肌に刺さる感覚がなく、素肌で触れてもとても心地よい肌触りです。ウール本来の特性から空気を大量に含むため保温性が高く、また汗や湿気を吸収しても表面がサラッとしているので夏も涼しく、一年を通して快適にお使いいただけます。

化学物質を使用しない植物染料

染色は当時の方法にのっとり、すべて植物染料を使用しています。また染色から仕上げまでの全工程において一切化学物質を使用せず製作しておりますので、安心してお使いいただけます。特に天然藍を使用した製品は、繊維製品の安全性において世界で最も権威のあるスイス本部の認証機関「エコテックス規格100」の認証検査を受け、最も厳しい「乳幼児が口に入れても安全」という基準を満たすクラス1の認証を毎年取得しています。

世界トップレベルの安全な繊維製品の証 エコテックス スタンダード100

天然藍と原毛色のMUNI CARPETSは繊維製品の安全性を検査し認証する世界で最も権威ある機関「エコテックス規格100」のクラス1という最も厳しい認証を、ウールカーペットでは世界で初めて取得いたしました。